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SANAE MOTEKI ILLUSTRATION

イラストレーター茂木沙苗のブログです

茜色に焼かれる

尾野真千子さん主演映画「茜色に焼かれる」を観に行きました。

石井裕也監督作品。

 

akaneiro-movie.com

 

このコロナ禍の現代に、ズシンと響きます。

コロナだけではなくて、生きる上での理不尽な扱い、尊厳、母子愛や、押さえ込んだ怒り。誠実に生きていても報われないことがあること。

 

この生きにくい現代で、誰しも内面には、主人公の良子と同じ気持ちがあると思います。

「もっと怒っていい」、これは良子が言われたセリフですが、感情のままに怒れない状況は、大人なら必ずあります。

感情を押し殺して笑顔でやり過ごすことも。

こちらは大人の対応で、怒りを表現しないだけなのに、周りは何も考えず、理不尽な態度を取ってくることはあります。

理不尽な態度を取るような人間に、本当は怒りを抑える必要もない。

私もここ数年で、自分も怒ったり、主張をして良いのだなと初めて気づきました。

もう良い年なんですが。

皮肉なことに、相手に丁寧な態度を取っている方が、相手になめられるってこと、あると思います。

周りのことを考えず、気分次第で不機嫌になっているような人には、周りが気をつかって、腫物のように接したりだとか。

本当は逆ですよね。

だから私は、周りに思いやりのある態度を取れる人を尊敬します。

 

主人公の良子や、仲間のケイちゃんに降りかかる出来事は、どれも過酷です。

過酷だけれど、実際の事故をモチーフにしているし、リアルです。

前半は観るのが苦しくなるほどですが、その中でも救いがあったり、救いかと思ったら更に傷付いたり、愛情に救われたり…様々な感情を突き付けられました。

個人的には、表現によって昇華していくこと、私もそうありたいと感じます。

 

良子役は、尾野真千子さんでなければできなかったと思います。

瞬発力のある演技、静と動の、例えば怒りを抱えた、一見冷静な演技などとても難しいと思うんです。

尾野さんは全てを体当たりで、演じ切っていました。圧巻でした。

 

ネタばれになるといけないので、細かくは書けませんが。

上映中ですので、是非皆さんも劇場でご覧ください!!